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【活動報告】国際会議「IC2S2 2026」への参加

2026年7月28日から31日にかけて、米国バーモント州バーリントンで開催された国際会議 IC2S2 2026(International Conference on Computational Social Science)が開催されました。当プロジェクトからも複数の研究者が参加し、計算社会科学に関する研究成果の発表、情報収集、および国際的な研究交流を行いました。 IC2S2は、SNS、検索、ニュース、オンライン上の相互作用、都市における人流など、日常生活の中で生み出される大規模データを用いて、社会の構造や変化を分析する計算社会科学を代表する国際会議です。第12回となる2026年の会議は、米バーモント大学のVermont Complex Systems Instituteが主催し、初日のワークショップ・チュートリアルと、3日間の本会議から構成されました。

学会の概要

 本会議では、口頭発表・ポスター発表を合わせて465件が実施されました。社会学、経済学、政治学、心理学などの社会科学と、コンピュータ科学、統計学などの研究者が分野横断的に参加し、AIと社会、情報環境、政治、教育、労働、健康、文化、都市、科学研究など、幅広いテーマが議論されました。

 特に、AIが人びとの判断や情報接触をどのように変えるのかという問いのもと、SNSや動画共有サービスにおける推薦、ニュースへの接触、選挙関連情報、政治的分断、オンライン上のコミュニケーションなどをめぐる研究が数多く発表されました。

 開会式で示された参加者の国別集計では、開催国である米国から403名、日本から43名が参加しました。日本は米国に次ぐ参加国であり、日本人研究者が関わる発表も約40件に上りました。日本の研究者からは、情報環境やオンライン文化、都市移動、災害時の行動など、日本の社会的・文化的条件に根ざした研究が発表されました。

プロジェクトとの関連

 ERATO鳥海「情報ウェルビーイング」プロジェクトは、情報環境が個人と社会のウェルビーイングに及ぼす影響を多角的に検討するため、情報科学、人文・社会科学、計算社会科学などを横断する研究を進めています。

 今回のIC2S2で取り上げられた、SNSにおける情報接触や推薦、オンライン上のコミュニケーション、政治的分断、AIと社会の関係といったテーマは、本プロジェクトの研究関心と密接に関わるものです。大規模データの分析と数理・計算モデルを組み合わせる計算社会科学の方法は、情報空間における人々の行動や相互作用、言説の拡散、対立や分断の形成過程を検討するうえで、重要な基盤となります。

 また、本プロジェクトのサブグループリーダーである吉田光男准教授は、会議の開催地であるバーリントンから、学会で交わされた議論や参加者の構成、発表テーマの広がりなど、現地の状況を報告する記事を執筆しています。記事では、計算社会科学が扱う研究課題の多様性とともに、国や地域ごとの社会的・文化的条件を踏まえてデータを解釈することの重要性が論じられています。

多様な社会を比較する視点

 情報環境や社会現象は、データが生み出される言語、政治制度、メディア環境、プラットフォームの利用文化、都市構造などと密接に関係しています。そのため、特定の国・地域のデータから得られた知見を、直ちに人間社会一般の特性として扱うのではなく、異なる社会を比較しながら、共通する仕組みと地域に固有の条件を区別して検討することが重要です。

 本プロジェクトは、国際的・比較的な視野を重視しながら、日本の情報環境に根ざした実証的研究を進めています。今回の国際会議への参加を通じて得られた知見と研究交流を今後の活動に生かし、情報環境とウェルビーイングの関係について、より学際的かつ実証的な研究を展開してまいります。

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 吉田光男准教授によるIC2S2 2026の現地報告は、以下の記事をご覧ください。

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